バイクのある生活 リターンズ

    XLR250Rを降りてから20年。40半ばにして、ライダー復活を果たした中年男のブログである。

「中年男 WRハイシートを自作する」

WR250Rのシートに不満をお持ちのオーナーさんは多いと思います。

 

<ノーマルシートの弊害>

  1. 座面が狭くウレタンが薄すぎて尻痛発生
  2. えぐりが急すぎて股間が痛い(男性限定)
  3. 着座面とステップ位置の距離が短くて膝の曲げがキツイ

 

私の場合、1と2はなんとか耐えることが出来たのですが、3は大きな問題でした。

定期的にライディング中も足を延ばして膝周りの筋肉が凝らないようにしていますが、夕方頃には膝周りの筋肉が急につることがありました。そうなってしまうと、そっちに気を取られて事故を起こす可能性もあります。

 

既製品では「WR輸出用ハイシート」「スパイラルハイシート」の2拓かな?

自分の体形に合ったオリジナルシートの制作をしてくれる会社もあるようですが、そこそこ値段もかかります。以前、ヤフオクで中古のノーマルシートを入手していましたので、自作ハイシートにチャレンジしてみて、仮に失敗してもノーマルがあるから大丈夫だ!的な環境は整っています(´-`*)

 

 

<結論>

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DIYながら、そこそこのクオリティで出来ました!

既製品でもここまで高さがあるハイシートは無いかも?(*´ω`*)

 

 

<ハイシート制作のための準備>

盛るためのウレタンをAmazonで購入。

ノーマルウレタンの上に接着して高さと成形するためのスポンジ です。今回は厚さ10mmのシートを3枚購入しました。この補修用スポンジのクッション性は、ノーマルウレタンとあまり変わらないものでした。

 

形成したシートの上に貼って座り心地を向上させるための低反発ウレタンです。

 上記と同様に10mmのシートを3枚購入しました。

 

 

シート形状が変わるためノーマルシート表皮の使い回しは出来ません。シート表皮の素材を新たにユザワヤで購入。

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ユザワヤでは、バイクシート用レザー見本は置いていましたが、メーカー廃版とのことで在庫もゼロ。見本の手わざりや厚み、伸び具合などに一番近い合成皮革を選びました。計り売りで長さ1m(幅1m)を購入しました。

WRのシートを覆うために必要な大きさが判らなかったので、1m×1mを買ってこの値段です。実際は、長さ0.5m×幅1m(税込810円)で十分な大きさです。

黒以外にもカラーバリエーションが揃っていて、同じ素材で☆や♡にパンチングされたものもありました(*´ω`*)

 

 

<ハイシート制作プロセス>

シート表皮を剥がす

シート裏側にシート表皮をステープル(ホッチキスの針みたいな奴)をマイナスドライバーでシート表皮を突き破らないように抜いていきます。

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以前のシートカスタムで、尻痛対策用に座面を掘ってそこにゲルシートを埋め込んでいましたのでこんな状態です。

 

ハイシート原型を作る

接合部分を削って滑らかにした後の形をイメージしながら若干大きめの寸法で切断し、コニシG17ボンドを塗って接着します。接着面が浮かないように養生テープで固定しておきました。G17ボンドはスポンジに吸われるため多めに塗る必要があります。また、強烈なシンナー臭がするので、風通しの良い場所か十分な換気ができる環境で作業することをお勧めします。

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G17の接着力は折り紙付きなので数時間後からでも削り出し作業を開始できると思いますが、私は念のため24時間後に削り出し作業を行いました。

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 ひたすらアラカンで接合面を滑らかに削っていきます。小一時間ほどでこの形まで形成できました。因みに私が使っているアラカンはコチラです。

シートが立ち上がっていく部分を重点的に盛っているので、時々この状態で跨ってみて違和感がないかを確かめながら形成を進めました。

 

 

ハイシート最終形成

この上に低反発のウレタンシートを貼って更に形成する予定でしたが、もう少しクッション性を高めて尻痛を緩和できないかな?と思案していると、彼女から使わなくなったヨガマット(写真の青いシートで厚さ10mm)を使ってみては?と持って来てもらいました。ヨガマットの素材は発泡ゴムシートのようで、ウレタンより柔らかく復元力も申し分ありません。直感で「これは使える!」と思い急遽低反発ウレタンから発砲ゴムシートへ変更しました。

 

「発砲ゴムシート」を販売しているホームセンターがあると思います。最寄りの島忠でも厚さ10mmと20mmを販売していました(10mmは在庫切れ)。ただし、計り売りではなく1m×1mのシート単位での販売で数千円だったような気がします。これだと使わない部分が無駄になるため、格安のヨガマットをスポーツ店で物色してみるのもアリだと思います。

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再び、コニシG17ボンドを大量に塗ってハイシート原型の上に接着しました。湾曲部分の密着度を高めるため、ビニール紐で結わいています。

  

 

再び24時間後にアラカンで削り出して形成。

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ヨガマット表面には滑りにくいように凹凸処理がされており、最終的にはシート表皮を貼った後でもその凹凸が若干判ってしまいます。シート表皮を貼った状態で滑らかに仕上げたい方は、この工程で表面を滑らかにしておくと良いでしょう。

 

 

シート表皮貼り

防水対策用にビニール袋(伸びるやつ)を被せて表皮を貼ってもよかったんですが、接合面を目立たせない効果のある「発砲シート」をホームセンターで購入してきて下処理しました。

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「発砲シート」と商品名を告げても店員さんが「?」となる可能性があるので、「引越しの時に割れ物を包む緩衝材」と説明すれば判ってもらえるかもしれません。

私は予めホームセンターに在庫しているかを確認してから最寄りの島忠ではなく、少し離れたコーナンまで買い出し(1m×1mで200円前後だったと思います)に行きました。破れやすいので予備に1枚追加で買っておきました。

 

発砲シートはシート裏に養生テープで仮固定し、ユザワヤで調達した合皮を貼っていきます。タッカーで留める順番は以下の通り(前方12時後方を6時とした場合)です。

  1. 12時 3箇所仮留め
  2. 6時 テンションをかけて3箇所仮留め ※座面から表皮が浮いている
  3. 4時&8時 表皮が座面に密着するほど引っ張って各3箇所仮留め
  4. 3時&9時 皺が入らないようやや斜め前に引っ張りつつ本留め
  5. 2時&10時 一番皺が入りやすい場所なので強めに斜め前に引っ張りつつ本留め
  6. 1時&11時 一番強く引っ張って本留め ※皺が消えなければ失敗
  7. 5時&7時 6時に向かって本留め ※強く引っ張らなくても皺になりにくい
  8. 4時&8時 やや斜め後ろに引っ張りつつ本留め
  9. 12&6時 本留め ※カーブラインを綺麗になるよう裏側で折返しを工夫

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ネットでは「ダイソー」のタッカーが使える!なんて情報もありますが、実際に使用したところ精度が悪いようでステープルが潰れて使いものになりませんでした。その後、コチラを愛用しています。

使用するステープルは6mmです。6mmは針の高さで、これ以上長くなるとシートベースからウレタンを突き抜けてシート表皮まで針が出てくる可能性が高いです。

 

 

<ノーマル vs 自作ハイシート>

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一番高さが欲しい場所での比較です。20mm以上は盛れていると思います。

 

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元々のシート形状の断面は台形になっており、そのデザインを活かして高さだけ上に盛って形成すると上底が短くなってします。見た目では三角木馬に更に近づいた感があります。このあたりは次回に改善の課題となりそうです。純正のスタックベルトは長さが足りないため取り付け不可でした。

 

 

<耐久性・実用性>

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この自作ハイシートを付けて房総林道、群馬栗原川林道と総走行距離800km超を走行しました。一番心配だった合皮の耐久性ですが、全く問題なく使用できています。ダート走行で前後する体重移動でも破れることもなくきちんと復元しています。汚れも落ちやすく今のところ不満は有りません。ただし、座面が濡れた時に使用していないので、どれだけ滑るのか?といったレビューは未だとなります。

 

膝裏周辺の筋肉がつる症状 →大成功

膝の曲げ角度が緩くなったことにより症状が出ることは無くなりました!

 

尻痛軽減 →やや成功

ヨガマットが振動軽減には有効なようで、エンジンからの振動はノーマルと同様に尻を通して伝わるものの、その振動はかなりマイルドなものでした。尻が痛くて座れないといった症状まで悪化することは無かったです。一方、シート形状をデザイン優先で形成したため座面幅が狭くなり、支持面が減少していたので尻痛は発生していました。

 

股間痛い問題(男子限定) →大成功

股間部分のウレタンを相当盛りましたので、股間が痛くなることは無かったです。

 

 

 

( ˘•ω•˘ )

 

 

 

そう、誰しもが感じている「足つき」のコメントが・・・・

 

 

 

ノーマルより僅かに悪くなった程度でした!

 

 

 股下の絞り込んだ形状をそのままにしていることと、発砲ゴムシートはウレタンより弾性があるようで、相当潰れて吸収してくれているようです。

 

形状の改善余地はあるものの、初めてのアンコ盛りハイシート自作は成功と言っていいんじゃないでしょうか!染めQでシートに「YAMAHA」か「WR」の文字を塗ってみようかなぁ(´-`*)

 

 

<ハイシート自作の実費>

  • ベースシート [0円] ※既存流用
  • シート補修用スポンジ 10mm厚 3枚 [1700円]
  • シート表皮 0.5m×1.0m [810円]
  • 発砲ゴムシート [0円] ※私物流用
  • 発砲シート 1.0m×1.0m 1枚 [200円]
  • コニシG17ボンド170ml 1本 [733円]
  • Amazon送料 [700円]

 合計 4143円

 

タッカー、アラカンといった工具類を用意するには別途費用がかかりますが、知人から借りることが出来るのであれば格安でハイシートが作れるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?