【RMX-250S(SJ14A)再生プロジェクト】Part 6(ピストン清掃、シリンダーヘッド面研)
ピストンヘッドには乾いたカーボンがびっちりと堆積していました。2stエンジンではガソリンにオイルを混合して爆発させているため、オイルが燃焼してヘッド部に付着するのですが、定期的に清掃しないとトラブルのもとになります。
一連のレストアでキャブレターや機関内部の清掃に活躍してきた「塗装はがし剤」を塗布してみました。固着したカーボンには塗布後数分経過して柔らかくなったカーボンをウエスで強めに拭う作業を繰り返さないと除去できませんでした(溶解しなかった)。
スクレーパーをお持ちの方であれば、先に表面のカーボンをスクレーパーで削ぎ落としたほうが作業時間は早くなります。
ピストン左右の肉抜き部分やピストンピンを通す孔に未燃焼ガスが堆積しているので、綺麗にするため「塗装はがし剤」の塗布しました。塗布と同時に汚れが溶解し始めましたので、ガソリンやオイルの汚れは分解しやすいようです。
ピストンの裏は…これって燃焼した後のカーボンでは?燃焼後の排気ルートを考えてもピストン裏にこびり付くことってあるかしら?2サイクルエンジンの工程と排気経路を考えても、ピストン裏に付着する原因が判らない。「判らない」ということは、自分が特定できていないトラブルを放置しているみたいで気分的によくない。エンジンの信頼性を上げるために、原因は何なのかをネットで調べてみることにしよう。
極薄くしか堆積していないので、「塗装はがし剤」の塗布で綺麗に落ちました。
2段になっているピストンリングは新品に交換するため、古いリングはこのようにしてピストンリングの溝の清掃に使用します。溝に堆積した油交じりのカーボンに「塗装はがし剤」を塗布するとジェル状になり、それをかき出すために重宝しました。
一連の清掃を終えて綺麗になったピストン。組み付けまで封印です!
続いてシリンダーヘッドの面研
Amazonでオイルストーン(#320削りと#600磨き)、オイルストーン用油を発注していましたが、#320削りの商品が中国発でなかなか到着しなさそうだったので、研磨に時間はかかりますが#600磨き用でシリンダーヘッドの面研を行いました。バイク単気筒だとこの大きさで十分です。
専用のサラサラオイル。
面研する前
スクレーパーで落としきれなかったガスケットの残骸が付着しています。
面研した後(右側のヘコミは金型の精度が悪かったのか鋳造時点のヒケなのか不明)
オイルを付けてシャリシャリとオイルストーンで合わせ面を平らに削っていきます。下へ押さえつけるチカラは必要ありません。オイルストーン自体の平面で合わせ面のデコボコを平らに均していきます。
もともとの精度は高いと思いますが、製造工程を考えれば不均一になってしまう部分も出てしまいます。2stエンジンの圧縮比は4stに比べて低く、面が不均一でガスケットから圧縮もれは発生しにくいですが、やはり平らになっている方がリスクが減るので綺麗に均しておきました。
シリンダーヘッドも組み付けまで封印です!